再会(2012年8月掲載原稿から)

私「おまたせ!」

友人「おう!ひさしぶりー!」

高校時代の友人と久しぶりの再会。

いま流行りのFacebookで繋がり、いわゆるオフ会的に集まったのだ。集まったといっても二人だが。

ここは雰囲気の良いイタリアン寿司食堂。イタリア料理と寿司の両方が楽しめるらしい。

席に座ると、友人が肩からプロっぽいカメラをさげていた。

私「お!一眼レフ!すっげー!なに?カメラやってるの?」

友人「まあそんなもんかなー」

友人は趣味が高じ、フリーのカメラマンをやっているそうで、ファッション雑誌やグルメ記事の撮影に結構引っぱり凧な”駆け出し売れっ子カメラマン”とのことだ。

懐かしい昔話を楽しみながら、料理や、料理を運んでくれるウェイターをパシャパシャと写す友人。

私「すげーなー!なんでも被写体にしちゃうんだな~」

友人「ははは、なんでも、ってわけじゃないんだけどさ、気になるものとか、興味が沸いた人とか、ピン!とキタものとかさ、これは!と思うとさ~体が勝手にシャッターボタン押しちゃってるんだよねー」

私「おおー!なんかかっけー!」

楽しい時間はあっという間にすぎる。

その後も友人は30000枚くらいは写真を撮っただろうか、友人はこの後、深夜の重機写真集を作成中らしく工事現場に行くとのことで、

またの再会を約束し、夜の暗がりに勇ましく消えていった。

それにしても友人との再会とはいいものである。

少しセンチメンタルになった私はあることに気がついた。

わたしは一枚も写真を撮られていないという事を。

完。

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